【日高新報】小中学校で津波防災教育手引き活用授業<和歌山県美浜町>

和歌山県美浜町で実施された小中学校での津波防災教育についてのニュースです。


小中学校で津波防災教育手引き活用授業 – 日高新報 Web Hidaka

 東日本大震災からもうすぐ1年となるのを前に、 県内の小中学校では県教委が作成した津波防災教育の手引きを活用した授業が行われている。 沿岸部の美浜町、 松洋中学校では24日、 1年生の防災学習で初めてマニュアル活用の授業が行われ、 「釜石の奇跡」 と呼ばれる岩手県の中学生の避難を検証。 津波浸水予測図はあった方がいいのか、 ない方がいいのか、 子どもたちも強い関心を持って意見を発表していた。

 東日本大震災の被災地、 岩手県の大槌湾などに面した釜石市では、 「想定外」 の巨大な津波にまちがのみこまれ、 住宅街では多くの人が亡くなったが、 子どもたちの犠牲者はほとんどなかった。 地震発生時、 全員が学校にいた釜石東中の生徒たちは、 普段の訓練通り、 近くの鵜住居小の児童や幼稚園児を連れて避難。 下から迫ってくる津波を見ながら高台へ、 さらに山の上へと逃げた。 今回の松洋中1年生の授業では県教委のマニュアルに沿って、 この 「釜石の奇跡」 と呼ばれる中学生たちの避難を振り返り、 なぜ釜石の子どもたちが津波から逃げきることができたのかを考えた。

 釜石で犠牲者が多く出た地域は、 過去の大地震発生後の津波被害を基に作られた浸水予測図では無色の安全なエリア。 逆に、 予測図で危険とされていた赤や黄色の地域では犠牲者がほとんど出なかった。 生徒たちは実際の被災地の写真などを見ながら、 津波警報が出たときは 「想定にとらわれるな」 「最善をつくせ」 「率先避難者たれ」 の3つが命を守る大原則になることを学んだ。 これを踏まえ、教師が津波浸水予測図が必要かどうかを質問すると、 「ある方が逃げる場所が分かってよい」 「ない方が (釜石のように) 油断が生まれない」 などと両方の意見が出た。